イスラム教の基本、「六信五行」とは?
六信とはイスラム教徒が信ずべき六つの信条を表し、五行とはイスラム教徒が実行すべき五つの義務をいいます。
六信
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唯一神(アッラーフ):アッラー以外には神はいないと信じる。
(イスラム教は一神教なので、アッラー以外の神を認めていません。「アッラー」とは「神」という意味のアラビア語です)
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天使の存在(マラーイカ): アッラーの命令を忠実に実行する天使(ガブリエル、ミカエル)の存在を信じる。
(イスラム教はユダヤ教とキリスト教の流れを受け継いでいるため、同じ天使たちが信仰されています。)
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啓典(キターブ): アッラーから預言者に下された様々な教典(最後の教典はコーラン)の内容を信じる。
(コーランはアッラーが預言者ムハンマドを通じて伝えた言葉を教典にしています)
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使徒(ラスール): アッラーから送られた預言者(アブラハム、モーセ、ムハンマドなど)が存在していたことを信じる。
(イスラム教はユダヤ教とキリスト教の流れを受け継いでいるため、同じ預言者たちが信仰されています)
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死後の世界の存在(アーヒラ): 死後の世界の存在(死後の復活)を信じる。
(この世が終わる時、神の審判があって、善行を積めば天国へ行くことができ、行いが悪ければ地獄に落ち、拷問などの苦しみを受けなければなりません)
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定命(カダル): 全ての人間の運命はアッラーの定めた天命と信じる。
(アッラーは常に、未来に起こること、それがいつ、どこで、どのように起こるのかに至るまで、ご周知であることを指します)
五行
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信仰告白(シャハーダ)
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「アッラーの他には神はなし。ムハンマドはアッラーの使徒なり。」と唱えて、信仰告白をします。この告白イスラム教徒(ムスリム)二人の前で行うことにより、ムスリムとして認知されます。
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礼拝(サラート)
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1日に5回、メッカの方向に礼拝をします。礼拝時刻は日の出と日没に影響されるので、都市や季節によって細かく変動します。
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喜捨(ザカート)
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収入の一部を貧者に施します。喜捨は貧困者の救済目的に使用される為、『救貧税』と呼ばれています。 どの程度を施すかは何で喜捨するかによって異なります。金銭で寄 付する場合は収入の2.5%、家畜では0.8~2.5%、商品では2.5%と定められています。
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断食(サウム)
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イスラム暦(ヒジュラ)の九月(ラマダーン)には、日の出から日没までの間、飲食をしません。ヒジュラは太陰暦の為、毎年、時期が変動します。断食中は、精神的、道徳的なことに心を集中させ、アッラーに近づくように努めます。
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巡礼(ハッジ)
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少なくとも一生に一度、聖地メッカへの巡礼が義務付けられています。しかし、他の四行とは異なり、必須ではなく、経済的、体力的に実行できる者のみが行えば良いとされています。