ハラル認証のメリット

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ハラル認証の取得は、一般的に以下のようなメリットをもたらします。まず、イスラム教徒の一般消費者にとっては、特定の商品がイスラム教の教義的に認められていることを意味するため、安心感を得られると同時に、消費選択の幅が増えることに繋がります。また、ハラル製品を取り扱っている企業、もしくはその取引先にとっても、ハラル認証はイスラム圏市場へのアクセスを得られるというメリットだけでなく、その企業の透明性と安全性基準の高さをアピールすることにも繋がります。

日本にはいくつものハラル認証団体が存在しており、企業の特定のニーズに合った団体を適切に選択する必要があります。MPJAハラル認証は、以下のような企業にとって大きなメリットがあり、これまでの実績にも表れています。

① 高い監査能力と厳しい審査により、責任を持ってハラルの保証を行える認証団体を求めている

② マレーシア、インドネシア、またはタイへすでに輸出をしているが、取引先または政府からハラル認証を取得するように依頼または指示された

③ マレーシア、インドネシア、またはタイへ輸出をすべく、輸出スキームを作り上げているが、その過程でハラル認証が必要となった

④ 更新費用・コンサルティング費用を抑えたい、長期的なコストが気になる、またこの理由により別団体からの認証の乗り換えを考えている

⑤ 取引先から製品のハラル性について問われた際に、ハラル証書を提出すれば工程図などの企業秘密に関わる情報の提出が必要なくなるので、ハラル認証を取得したい

それぞれのポイントについて、以下のように説明できます。①、②、③は、MPJAがマレーシア・イスラム開発庁(JAKIM)またはインドネシア・ウラマー評議会(MUI)との相互認証関係にあることにより得られるユニークな強みだと言えます(「ハラル認証の国際相互認証制度」を参照)。④に関しては、①の通り初回の審査で厳しい基準を設けているため、一度認証を取得された企業への更新には大きな費用を必要としないことによります。⑤については、輸出を行っている取引先に対し原材料を提供している企業によく見られるパターンです。

一方で、ハラル認証を取らなくてもよい企業というものも存在します。例えば、輸出を行っている先でハラル認証が規制などで特に求められているわけではない、その上で社会一般からのハラル認証への需要がない場合がそれに当たります。イスラム教徒の人口がマイノリティである国では、このようなパターンが見られます。この場合、すぐに高コストのハラル認証を行うのではなく、現地でテストマーケティングなどを行ってから検討するのも一つの手段であると言えます。

また、MUIなどの認証機関の「ポジティブリスト」に登録されている原料で出来ている製品は、自動的にハラルの成分で構成されるため、ハラル認証の取得は必要ではないものとされる場合があります。しかしハラル認証の取得により市場価値を高めるなど、マーケティングの観点からハラル認証を行う意義もあります。

更に、実際にハラル認証を取得することによりイスラム圏市場へ自動的に参入できるのかどうか、という問題もあります。ハラルかどうかは、イスラム教徒の消費選択における様々な条件の一つに過ぎません。通常の商品販売に求められる顧客ニーズの把握、営業・販売戦略、マーケティング、差別化の創出なども抑えた上でのハラル認証の取得を行うことを弊協会では推奨します。

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