ハラル対応とは、宗教上の戒律があるイスラム教徒向けの食事やサービス提供のことを指します。これから世界の4人に1人がイスラム教徒になると言われている今、インバウンド強化には「ハラル対応」が鍵となってきます。


基本を知ろう 「ハラル」と「ノンハラル」

「ハラル」というのはアラビア語で、イスラム教の教えで「許されている」という意味です。
反対に禁じられていることは「ハラム(ノンハラル)」と言います。

ハラルとハラムを体験してみたい方は、お買物の時に成分表をチェックしてみてください。
お菓子には洋酒や酒粕などが使われていることもありますし、意外な食べ物にもに豚エキスが使われていたりします。

ハラル対応の3段階

入門編:ムスリムフレンドリー

宗教上の戒律があるムスリムの基本を理解し、「受け入れ側のできる範囲で」ハラル対応に取り組むことを意味します。
明確な基準はなく、豚・アルコールを使用しないなど最低限のことを守れば始めやすいことが特徴です。


中級編:国内流通向けハラル認証/ローカルハラル認証

ハラル認証には明確な基準があります。
専門の認証機関からの検査を受け、認定されることで「ハラル認証」を取得することができます。しかし認証機関の基準は統一されていないので、自社にあった機関を探すことをお勧めします。


上級編:輸出向けハラル認証

輸出向けのハラル基準は、国内流通よりも厳格になります。
イスラム教徒が多い東南アジアや、ヨーロッパの市場参入のために採用している企業がほとんどです。

世界共通のハラル基準は存在しませんが、最も厳しい基準とされているのはマレーシアの認証機関(通称 JAKIM)と、インドネシアの認証機関(通称 MUI)です。輸出向けハラル認証をご希望の方は窓口が異なりますので、こちらからお問合せください。


重要なのはコンタミネーション(混在)を防ぐことと、その管理

ハラルメニューにお酒をこぼしてしまったら、ハラル食肉にラードがかかってしまったら、それはハラムになります。
せっかくハラル対応を頑張っても、ハラル食材と、ハラム食材が混在してしまってはイスラム教徒は利用できないのです。

特にイスラム教徒が少なく、イスラム教の知識が普及していない日本では、コンタミネーションの問題は最も注意するべきポイントになります。
これからハラル対応をはじめる方は、「混在しない仕組み」と「管理」に十分注意してください。