ハラル認証の仕組みと認定

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ここでは、ハラル認証の基本となる情報を、仕組みの観点から解説します。「ハラル(halal)」とは、アラビア語で「許容されたもの」を意味し、対称となるのが「ハラム(haram)」です。「ハラム」は「禁じられたもの」を意味します。ここでは便宜的に「ノンハラル」と呼びます。イスラム教徒にとって「ハラル」と「ノンハラル」は、どのようなライフスタイルを送るべきかの指針となるものです。言葉の使い方や宗教実践の手法、政策に至るまで、社会のあらゆる側面をカバーしています。その中に、食品や化粧品など、人が摂取するものも含まれています。従ってハラル認証とは、人が摂取するものが「ハラルであり、ノンハラルではない」こと、即ち「イスラム的に許容されている」ことを示すものなのです。

ここで、ハラル認証機関の意義が出てきます。「イスラム的に許容されているか」の判断は、中立的な立場での審査が必須です。認証機関が製品のハラル性を企業に対し保証することは、企業が安心して製品を製造・輸出することにつながります。この役割を担うものとして、ハラル認証機関の存在は近年益々重要視されてきています。

歴史的に、食べ物のハラル性を判断するのはイスラムの宗教法の専門家であるイスラム法学者の役割でした。しかし、現代社会の食品や化粧品は、極めて高度な科学技術や化学の知見を用いた形で製造が行われます。その上、原料の搬入、完成品の保管や輸送といったプロセスにおけるハラル性の維持といった課題も登場するようになりました。そこで、モスク(イスラム教徒の礼拝所)を拠点に活動するイスラム法学者だけでなく、化学や食品科学に関する高等教育を受けた専門家の視点も、ハラル認証に求められるようになりました。つまり認証機関は、イスラム法学的観点と化学的観点の両方からハラル性を審査することで、より確実なハラル性を担保することができるのです。

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ハラル認証の「イスラム法学的観点」と「化学的観点」という二つの視座は、JAKIM/MUIのハラル認証基準に則った(のっとった)ものです。「化学的観点」及び「イスラム法学的観点」は「製品の原材料」や「製造工程の監査」を、製品の資料や製造工程図などを用いて行います。原材料の中には「ハラル」かどうか、一見では分からないものがあります。その場合、原材料の調達先やその製造工程まで辿りハラル性を明確にする必要があります。製品のハラル性が明確になったところで、製造現場の監査が始まります。このプロセスにおいて、施設の状況を「搬入」「製造」「保管」そして「出荷」に至るまで審査し、ハラルでない物質とのコンタミネーションが発生しないことも確認します。これらを経て、ハラル製品として問題ないことが確認され、認定が行われます。

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